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02/23

Hour of Code 宮崎に見るプログラミング教育への期待の高まり

こんにちは。リブセンスCSR担当です。

リブセンスは「幸せから生まれる幸せ」を経営理念に掲げ、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。そのカルチャーとフィロソフィーはPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)の背後に存在する非財務的な企業資産であり、事業を離れたところでもひとりひとりの行動に影響を与えています。そのひとつがCSRをはじめとする社会貢献活動への積極的なコミットメントです。

今回は2017年12月に宮崎市で開催した小学生向けプログラミングワークショップ「Hour of Code」と、その裏で汗を流したメンバーのエピソードをご紹介したいと思います。

ワークショップの中心を担ったエンジニアの大政。社内の人望も厚い。

ワークショップの中心を担ったエンジニアの大政。社内の人望も厚い。

東京の「あたりまえ」は地方の「あたりまえ」ではない

Hour of Codeは世界180 カ国以上、4 億5,000 万人の子どもたちが体験してきたプログラミングワークショップで、日本では「みんなのコード」が推進しています。リブセンスの創業メンバーの一人で、個人としてNPOなどの社会貢献団体の支援に取り組む桂から、「利根川さん(みんなのコード代表)を紹介するので話を聞いてフラットに判断して欲しい」と告げられたのが2017年の初秋でした。プログラミング教育は自社アセットをいかして取り組みやすい領域のひとつではあるものの、都内近郊では2020年の小学校必修化を背景にすでに学習塾や無料ワークショップがいくつも開設されており、リブセンスがCSRとして取り組む必然性にはやや疑問がありました。
ただ、そうした東京の「あたりまえ」は地方の「あたりまえ」ではありません。利根川さんと役員を含めたディスカッションを経て「やるならば地方=操業拠点のある宮崎で」との方向性が固まり、宮崎オフィス代表と宮崎市役所の方々の強い支持を得て、宮崎でのワークショップ開催へと動き出すことになりました。

ワークショップ当日の様子。ロボットゲーム(※「命令」に従って身体を動かしプログラミングのイメージをつかむゲーム)でウォーミングアップ。

ワークショップ当日の様子。ロボットゲーム(「命令」に従って身体を動かしプログラミングのイメージをつかむゲーム)でウォーミングアップ。

時間を忘れてブロックプログラミングに没頭する子どもたち。

時間を忘れてブロックプログラミングに没頭する子どもたち。

独自コンテンツ「花火」は一期一会のインタラクティブアート

子ども向けプログラミングワークショップは初めての取り組みではあるものの、みんなのコードに豊富な知見があること、社内に優秀なエンジニアがいることから、充実した内容にできる見立てはありました。ただ、やるからにはリブセンスならではの価値を届けたい。「楽しい」以上の参加者の感情を揺さぶりたい。そんな思いから、ワークショップの核となるコンテンツとしてエンジニアの大政が開発したのが「花火」のプログラムでした。

「花火」のライブパフォーマンス。

「花火」のライブパフォーマンス。

「花火」は、モニター上の任意の位置にポインターを置きマウスをクリックすると花火が打ち上がるシンプルで美しいプログラムです。初めはだれもが目の前のモニターにかじりついて花火をいかに多く打ち上げるかに夢中になりますが、ふと前を見ると実はその場にいる全員の花火がスクリーンに映っています。そして、コードを書き換えていくと、次々に花火の色や大きさ・上がるスピードなどが変化していくという仕掛けです。プロフェッショナルなエンジニアのコーディング技術やスピード感、プログラミングの動的なダイナミズムを感覚的に伝える優れたライブパフォーマンスであると同時に、参加者全員で作り上げる一期一会のインタラクティブアートでもありました。

アンケート結果が示すプログラミング教育への期待

12月9日と10日の2日間で90分×計4回のワークショップを開催し、のべ約80名の小学生が参加しました。アンケート結果によると、子どもの満足度はほぼ100%。また興味深かったのは、プログラミング教育に対する保護者の関心の高さです。参加した保護者の95%がプログラミング教育の必修化にポジティブな回答をしており、特に論理的思考力を育むという点でその有用性に期待を寄せているようでした。2020年の必修化を前に、実際に教鞭を執ることになる先生方へのサポートも重要になってくるだろうという印象を強く持ちました。社内リソースは限られているものの、行政や教育委員会の方々と連携できる部分があれば進んで取り組んで行きたいと考えています。また、今回、キャンセル待ちで参加の叶わなかった40名近くの子どもたちがいましたが、今後もより多くの子どもたちにワークショップを届けていきたいです。

【子どもアンケート】
アンケート結果_3アンケート結果_4

【保護者アンケート】
アンケート結果_5
アンケート結果_6

ワークショップを終えて

ワークショップの当日運営に関わったメンバーは合計で8名。東京本社から4名・宮崎から4名で、大政も含め全員がほぼボランティアとしての参加でした。「花火」のプログラムも通常業務を終えた後、大政が時間を見つけて開発したものです。ベンチャーの一員として事業成長を最優先に考え、自分自身の仕事にコミットしながら、自由時間を社会貢献に充てようとする姿勢はリブセンスの社員に多く見られるマインドでもあります。タイミングが合えば自分も手伝いたかった、というメンバーが他にも何人もいました。

CSRとして、今回のプログラミングワークショップはSDGs「質の高い教育をみんなに」へのコミットメントであり、教育機会の地域格差解消に向けた試験的な取り組みの第一歩でした。プログラミング教育の核は「プログラミング的思考」であり、IoTがあたりまえの世界を生き抜く上での武器を身につけること。あたりまえを発明し、世の中の課題を解決していける次世代をエンパワーメントすることで、リブセンスの掲げる「幸せから生まれる幸せ」をこれからも広めていきたいです。

と、綺麗事を言うのは簡単ですが、ワークショップの準備や当日の運営の緊張から、CSR担当は終了後ゾンビのような抜け殻になってしまいました。ワークショップを楽しんだか?と問われたら、子どもたちや保護者の反応(=イベントの成功)ばかりが気がかりで、それどころではありませんでした。まして講師としてコンテンツの準備から当日のファシリテーション、デモの全てを引き受けてくれた大政は…。大変な役をお願いしてしまった引け目を感じながら、帰路の飛行機を待つ間、宮崎空港で恐る恐るワークショップは楽しかったかと尋ねてみました。

「楽しかったよ」

よどみない声で答えた大政。自分が好きなプログラミングを子どもたちが楽しいと言い、一生懸命取り組んでくれたことが嬉しかったとのこと。その清々しさに心が洗われる思いがしました。プログラミングのスキルや知識はだれでも伝えられるかもしれないけれど、それを「好き」になるための情熱や想いは、本当にプロフェッショナルなエンジニアにしか伝えられないかもしれないと思いました。

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