リブチャンやマッハバイトなど、自社のアカウントはこまめにチェックしているつもりだったのですが、先日Twitterを見ていて、気がつきました。
「あれ?いつの間にか『JOBSHIL BIZ(ジョブシルビズ)』の公式アカウントが誕生してる!?」と。
「JOBSHIL BIZ」とは、当社が運営する正社員転職サイト「転職ナビ」が、2019年1月に立ち上げたオウンドメディアです。「転職ナビ」そのものは2008年からサービス提供を開始しており、10年以上にわたり企業向けの正社員採用支援、および求職者向けの転職支援に取り組んできました。培ってきた経験を活かし、「JOBSHIL BIZ」では主に企業の採用担当者向けに、採用ノウハウをはじめ、社内制度や働き方、組織づくりなど様々なテーマの記事を発信しています。
「LIVESENSE info」を遡ってみたところ、なんということでしょう、「JOBSHIL BIZ」を取材したことがまだありませんでした。ということで、「JOBSHIL BIZ」について理解を深めるべく、メディアの立ち上げ時から一貫して運用に携わっていらっしゃる、転職ナビ事業部 マーケティンググループの市川斐乃(あやの)さんにお話を伺いました。
■「JOBSHIL BIZ」は今、大きな転換期にある
--市川さんは「JOBSHIL BIZ」の立ち上げ時から運営に携わっていらっしゃるそうですね。そもそもなぜオウンドメディアを立ち上げることになったのか、その経緯を教えていただけますか?
市川斐乃さん(以下、市川さん):はい。私は転職ナビ事業部に配属されてから3年半ほどになりますが、一貫してオウンドメディアの運営、記事執筆に携わっています。「JOBSHIL BIZ」の前は、求職者向けのオウンドメディア「JOBSHIL(ジョブシル、2017年2月~)」の立ち上げとコンテンツ制作に携わっていました。それから2年後の2019年4月に、今度は採用担当者向けにもオウンドメディア「JOBSHIL BIZ」を立ち上げることが決まり、そこから「JOBSHIL BIZ」の仕事も並行して担当するようになりました。オウンドメディア立ち上げの目的は、「JOBSHIL BIZ」に限らず、自社サービスのユーザーを獲得するための営業ツールにするためです。
オウンドメディアを入口に、サービスのことを知り、興味関心を持っていただく。そして、実際に「転職ナビ」をご利用いただけるようにと、日々記事を書いています。
しかし、このような前提はありつつも、転職ナビ事業部としては、単なる営業媒体ではなく、読者にとって有益なコンテンツを提供する、価値あるメディアにしようと取り組んでいます。この考え方は「JOBSHIL BIZ」立ち上げ当初から変わりません。
--「JOBSHIL BIZ」の運営開始から約1年半ほどが経ちますが、最近Twitterの公式アカウントを開始されましたよね。どうしてこのタイミングだったんでしょうか?
市川さん:実は今、「JOBSHIL BIZ」は初めて大きな方向転換をしています。メディアとして成長の第2段階に入ったとも言えます。
そもそも第1段階で何に取り組んでいたかというと、Googlebotに「JOBSHIL BIZ」の存在を認識させることに注力してきました。どんなウェブサイトもそうですが、サイトをインターネット上に公開しても、検索エンジンに存在を認識されないうちは、検索結果にも表示されず、存在しないに等しい状態です。ですので、まずは「JOBSHIL BIZ」内のコンテンツ量を増やし、Googlebotに中身の充実したサイトだと認識されるよう、沢山の記事を書いてサイト上にアップしました。
なおかつ、それらの記事は、数だけではなく、SEOの観点、そして読み物として質が良いことも重要でした。なぜなら、最近のSEO評価はユーザー目線により近づいてきているので、それらの質が高い記事やサイトほど、検索結果の上位に表示され、多くの人に見てもらいやすくなる仕組みだからです。量と質、どちらも妥協することなく同僚と協力しながら100記事くらいまではひたすら書きました。
--1年ちょっとで100記事! 私もこうやって記事を書くので、どれほど大変なことだったのか、分かる気がします……。
市川さん:その後、100記事を目途に施策のふり返りと方向性の見直しをしようと以前から決めていたことと、強力な新メンバーが加わったタイミングが重なり、「JOBSHIL BIZ」の今後について話し合いを行ないました。その結果、Googleからの機械的な認知は取れたと一定評価できる状態なので、ここからはリアルな人に対しても「JOBSHIL BIZ」の認知を広めて行こうと方向転換することになりました。
方針としては大きく2点。1点目は、人事や採用担当の方が読みたくなる記事であり、さらに『シェアしたくなるような記事』を書いていこう。2点目は、SNS等も活用して『JOBSHIL BIZのファン』を作っていこう。
今回Twitterを始めたのも、「JOBSHIL BIZ」のファンを作っていくための施策の一つです。ファンになってもらうためには、頻繁に「あ、このサイト前も見たな」「このサイトいいな」「この記事よくTwitterの人事界隈でシェアされてるな」と思ってもらうことが必要だと思うので、ビジネスに関する情報交換が盛んなTwitterを皮切りに取り組みました。
--なるほど、Twitterを始めたのはそういう理由だったんですね。
市川さん:そうです。ただTwitterは運用を始めたばかりなのでまだフォロワーも少なくて(苦笑)。でも今はフォロワーが多い少ないということよりも、どれだけの人に読んでもらえたか、いいねと感じてシェアしてもらえたか、ということのほうが大事なのかなと思っています。直近だと、リブセンスが取り組む社員向けメンタルヘルスに関する記事に多くのリツイートやシェアをしていただけて、書き手としてとても嬉しかったです。
■立ち上げ時から変わらぬユーザーファースト視点
--SEO観点を重視していた初期と、多くの方に認知・シェアされることを重視している今。施策の方向性は変化しましたが、メディアを運営する上で一貫して変わらない、大切にしていることってありますか?
市川さん:そうですね、求職者向けサイト「JOBSHIL」の立ち上げ時からずっと意識しているのは、読んでくださるユーザーさんのことを想定した「ユーザーファースト」の視点ですね。書いている間も読む人のことをすごく想像します。
現在「JOBSHIL BIZ」には110記事ほどあるのですが、実はそのほとんどで、記事ごとに毎回想定読者の背景にあるストーリーを考えています。『この記事にたどり着く人は、きっとこういうシチュエーションに置かれている人で、こういうことに困ってて、こんなワードで検索するんじゃないか』という感じで。これってすっごく当たり前の工程ではあるんですが(笑)、企画段階で下準備を丁寧にすることはメンバーの共通認識でもあり、常に心掛けていることです。
ちなみに、ストーリーにもライターの個性が出てとても面白いんですよ。ストーリーだけを集めた編集裏話の記事があってもいいくらい。下記はその中の一つ、「中途採用における適性検査」の記事を書く際に当時所属していたライターさんに考えていただいたストーリーです。
--想像以上に具体的なストーリーで、記事を届けたいターゲットには名前までつけているんですね! これなら誰に向けて記事を書いているのかぶれないですね。ちなみに記事のテーマはいつもどうやって探しているんですか?
市川さん:新聞や本、SNSで情報を得ていますね。テーマを先に思いついた場合はネットで検索してみて、そのテーマに関するどのような記事が存在するのか、そのテーマについて世の中の人はどんな反応をしているのかをリサーチもします。それから、社内の人事の方にも月一くらいで、「最近興味がある人事関連の話題」や「仕事における困りごとがないか」など情報収集させてもらっています。そして、収集した情報の中から「転職ナビ」ユーザーのみなさんが欲しい情報は何かを、編集会議で検討し、記事化しています。
■今の目標はメディアのファンを増やすこと
--記事へのこだわりや意気込みが伝わってきました! その他、メディアを運営する上で気を付けていたり、工夫したりしていることってありますか?
市川さん:「JOBSHIL BIZ」を運営するうえで、「転職ナビ」の押し売りをしないことは意識しています。誘導の押しが強いサイトは、自分が読者だったらちょっと気持ちが萎えてしまうかなと思うので。そのため、サイト全体で見ると、大小2~3箇所にバナーリンクが設置されていますが、記事をご覧いただくと分かるように、文中に無理やり「転職ナビ」を登場させたりテキストリンクを貼ったり、ということはしていません。もちろん「転職ナビ」のサービスをしっかり紹介することに意味がある記事もあるので、そうではない読み物系記事とのメリハリを付けるようにしています。
--記事の中身だけでなく、メディアの使いかたもユーザーファースト、読者視点なんですね。
市川さん:そうですね、今後さらにファンを増やしていくためにも、ユーザーファーストの意識は変わらず大切にしていきます。あ……あとちょっと言い忘れていたことがあるのですが、実は今回の方針転換には『社内認知度も上げていきたい』という狙いがあります。運営に携わるものとしては「JOBSHIL」も「JOBSHIL BIZ」もあまり他部署の人に興味を持ってもらえていない、それ以前に「あ~そんなメディアもあったかな~」くらいの認知度しかないのではと感じていまして(苦笑)。
社内にはSNSを使っている方も多いですし、発信力のある方もいらっしゃるので、ユーザーファーストは勿論のこと、社内の人に知ってもらい、シェアしたいなと思ってもらえるような記事を作っていけたら、より多くの方に「JOBSHIL BIZ」のことが広まるのではないかと期待しています。やっぱり社内の人がいいと思わないものだと、社外でも評価されにくいと思うので。社内からの応援や率直な意見は大歓迎です!
--そうですね、まずは社内メンバーを味方に付けていきたいですね(笑)! この記事が社内への「JOBSHIL BIZ」認知向上に一役買えたら嬉しいです。
今回の取材では、「JOBSHIL BIZ」について知ることができただけでなく、ライターとしての市川さんの視点や工夫など、自分の仕事にも取り入れたい様々な気づきも得ることが出来ました。市川さん、お忙しい中ありがとうございました!
「JOBSHIL BIZ」に興味を持ってくださった方は、是非サイトとTwitterアカウントのフォローをよろしくお願いします!
■JOBSHIL BIZ:https://job.j-sen.jp/jobshilbiz
■JOBSHIL BIZのTwitterアカウント:@jobshilbiz