2019年オリコン顧客満足度ランキング アルバイト情報サイト部門で1位を獲得し、現在アプリ・WEBの両方で成長を続けるマッハバイト。このメディアを運営するアルバイト事業部では、アルバイトを探すユーザー側はもちろん、クライアント企業の満足度にも徹底的に向き合っています。自らを「求人広告サービス」ではなく「採用支援サービス」と自負するアルバイト事業部が、顧客企業の満足度向上のために行っている越境的施策をご紹介します。

アルバイト事業部広告運用チームの山田さん(左)と営業チームの岩下さん(右)にお話を伺いました

 

複数の広告チャネルをクライアントごとに使い分ける

ー アルバイト事業部では、広告出稿の仕組みに他にはない点があると伺いました。実際にどういった施策を行っているか、教えてください。

山田さん「広告チームでは、集客に難航している求人に、採用確度の高い応募を集めるための施策を複数展開しています。マッハバイトでは自社メディア内の求人掲載だけでなく、提携している複数の外部メディアへの求人広告掲載も行っています。応募を多く必要としている求人については、他の求人よりも大きい費用をかけて広告を出稿し、少しでも多く応募を集めるような仕組みを作っています」

岩下さん求人情報サイトには、一般的に掲載課金や応募課金など、複数の課金形態があります。本質的にクライアントが求めていることは、いかに予算の範囲内で採用につながる人員を確保できるか、というところだと思います。これを踏まえて、マッハバイトの営業チームでも、クライアントがもつKPIである応募単価や採用単価を意識しながら、採用につながる応募を追っていくことが大切だと考えています

広告チームを束ねる山田さん

ー 逆に、採用につながらない応募というのは、どういう応募を指すのでしょうか。

山田さん例えば、1人の応募者が、同じクライアントの複数の店舗に応募(重複応募)する場合はこれにあたります。1人の応募者が、1つのクライアントの3つの店舗に応募した場合、応募数は3ですが応募者は1人なので、3つの応募のうち2つの応募は採用にはつながりませんよね。また、クライアントごとに採用しづらいペルソナがあり、そういった求職者からの応募が集まっても、企業側にとってはあまり有効な応募とは言えません。他には、働くつもりがない応募者によるいたずら応募も採用にはつながりませんね

ー 採用につながりやすい応募はどのように見分けるのでしょうか。

山田さんマッハバイトのメインのプランは採用課金なので、仕組み上、採用率を把握することができます。一方、掲載課金の場合は、採用・不採用を報告する義務がクライアントになく、マッハバイト側で採用率をデータとして溜めることができません。そのため、営業チームで各クライアントごとに採用状況をヒアリングし、業界の傾向も合わせながら、採用されやすいペルソナの仮説をたてて都度施策を回し、応募の質を高めています

ー 広告チャネルごとの応募者のペルソナや応募率などのデータは、過去実績から算出しているのでしょうか。

山田さんそうです。それらのデータを元に、『こういう人からの応募が欲しい』という個社別のニーズに応えることで、長期的な関係構築に努めています。単に応募数を増やすだけでなく、応募の質の低下を抑えることができるので、他社ができていないポジティブで深い提案を行なうことができます。また、こういった施策はユーザーにとっても、マッチングしなそうな求人への応募の回避に繋がるので、ユーザーと企業の両方にとってメリットがあることだと考えています

 

連携のきっかけは、事業部のボトルネック改善

ー こういった取り組みを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

山田さんきっかけはチーム単位の課題ではなく、事業部全体の収益性改善でした。チームに閉じない、事業部という大きいスコープでの課題に向き合うとなると、1チームで改善に取り組むよりも他のチームを巻き込んだ方が改善の確度が上がりそうだと判断して、営業チームと連携することになりました。

事業部内の様々な数値を検証した結果、広告出稿の収益性(ROAS)が悪く応募数も少なかったので、最初はその点の改善に努めました。応募数を増やしたあとは1応募あたりの質の低下が課題として挙がってきたので、今は応募の質を改善しつつ応募数・ROASを維持できるように取り組んでいます

 

チームの連携から、より大きな信頼の獲得へ

越境を通して新たな価値提供を目指す営業・岩下さん

ー 連携施策を行う前と後で、事業部に変化はありましたか。

岩下さん広告チームと連携するようになって、重複応募の削除や広告出稿先メディアの選定など、質を改善するための効果的な施策を打てるようになったのが一番の変化だと思います。また、それに伴いクライアントからの信頼を少しずついただけるようになったのも変わったところだと思います。

メディアのネームバリューやブランド価値という抽象的なものを理由に継続していただくのではなく、本当の課題は何で、それに対して私たちは何ができるのかという現状分析と改善をクライアントと一緒に行えるということが、信頼していただける理由の一つになっているのではないかなと思っています。これについては、新規営業の際にもお話していて、明確な差別化要因になっていると思います

山田さん広告チームにとっては収益最大化の中で応募数を増やすのがミッションですし、営業チームにとっては新規顧客獲得や継続掲載の獲得などによって売上を増やすことがミッションです。それぞれに別のミッションがありますが、それでも事業部として追うべきは、頂いた求人への有効な応募を増やすことです。

そのために広告チームは、広告の各種データを営業チームに共有しつつ施策の提案を行い、営業チームはクライアントの意向に寄り添いながら提案を行う。一つのチームの中だけで完結しない越境的な働き方は、うちらしいなと思います。当社で行っている広告管理のやり方は、業界初なのでは。広告出稿のデータをもとに、クライアントと施策を考えるやり方は、面白いと思っていただけることも多いです

ー 具体的な数値の変化にはどういうものがありましたか。

山田さん広告チームで言うと、例えば広告出稿先によっては、重複応募率が高く困っていたところ、数々の施策の結果、0%になったという事例があります

岩下さんたとえば重複応募率が21%から9%まで下げられたクライアントや、有効応募率が61%から95%に上がったクライアントなど、数値面でも大幅な改善がなされたクライアントが多くいらっしゃいます

クライアントの改善事例の話をしている時がお二人とも一番嬉しそうでした

ー 数値以外で何か変わったところはありますか。

岩下さん応募の質改善について、これまで営業チーム内以外で相談できるところは無かったのですが、他のチームに相談できるようになったという点は、新しい視点が入るという意味でとても良い変化だったなと思います

山田さんこういった連携施策を始めるまで、営業チームも広告チームもそれぞれの目標に向けてそれぞれが努力する、という感じで、連携を取りながら目標に向かうという状況ではありませんでした。連携をするようになり、営業チームと広告チームでお互いに知らないことの方が多く、お互いのことをあまり理解できていなかったことに気づきました。

クライアントはマッハバイトに特定の価値を感じて契約していただいていると思うのですが、営業チーム以外がその理由を正しく認識できていませんでした。今回の施策を通して、チームマッハバイトとして一つになり、クライアントの課題解決に当たれていること、そしてクライアントから見たマッハバイトの強みを知ることができたことが、良かった点だと思っています

ー 最後に、今後の意気込みについて一言ずつコメントをお願いします。

岩下さんこれからもクライアントの課題を一つ一つ解決していき、マッハバイトの満足度向上につなげて行きたいと思います!

山田さんクライアントとユーザー両方の満足度向上によって、マッハバイトの収益性が最大化されるように、これからも頑張っていきます!

ー ありがとうございました!

 

営業と広告、普段は別々のKPIを追うチームでも、突き詰めれば追いかける世界は同じ。過度に独立するのではなく、チームの境を飛び越えながら、マッハバイトはこれからも価値を生み出していきます!

今回はチームの境を超えた施策についてのお話でしたが、次回は事業部の枠を超えた成長環境のデザインについて紹介します。お楽しみに!