8月6日・7日の2日間、和歌山信愛高等学校より2年生の松村さんが、フィールドワーク兼職場体験のため、はるばるリブセンスに来てくれました。
当社が重点領域として取り組んでいるCSRの「ITを通じた地域活性」の一環として、就労経験のない若者が自身のキャリアについて考えるきっかけになればと思い受け入れを実施しました。

和歌山から職場体験に来てくれた松村さん

実は、今回の職場体験は、松村さん自らが当社に問い合わせをしてきたことで実現したもの。(私は高校時代にそんな経験をしたことがなかったので、彼女の行動力に関心!)

そのことについて担当の先生に伺ったところ、以前は先生が企業数社にアポイントを取って、その中から生徒に訪問したい企業を選択させていたそうですが、生徒に”やらされている感”があるように感じ、せっかくなら本人たちの興味関心を活かそうと、数年前から企業探しも訪問の交渉も、生徒自身で行うよう変更されたそう。「まだ様子を見ているところですが、前よりも生徒達が楽しんでいる気がします。」と仰っていました。

なお、松村さんに、数ある企業の中から何故リブセンスを選んだのか訊いてみたところ、

松村さん「職場体験を受け入れている企業を中心に探していたらこのブログにたどり着いて、中学生の職場訪問や子供向けのプログラミング教室を実施していると知り、リブセンスなら私のことも受け入れてくれるかもしれない!と思ったからです(ニコッ)」

とのことでした。

広報ブログを書いててよかった~!(笑)
ブログきっかけで生まれたこのご縁に感謝です。

 

「女性」と「ワークライフバランス」

今回、松村さんには2つの目的がありました。
1つは、授業で取り組んでいる課題研究『女性とワークライフバランス』について情報収集すること。
もう1つは、「働く」体験を通じて将来の進路やキャリアを考えるきっかけにすること。

広報として考えたことは、松村さんの2つの目的を達成することはもちろん、せっかく選んでくれたからには、リブセンスならではの文化や環境を肌で感じてもらうことでした。
具体的には以下のような4つのプログラムを実施しました。

 

<その1.働くってどういうこと?>

はじめに、広報・CSRを管掌する取締役の中里基さんから、対話形式での会社紹介、仕事についての説明をしました。

緊張を解いて本音でコミュニケーションが取れるよう、自己紹介に始まり、好きなものや嫌いなもの、人は何のために働くのか、リブセンスの掲げる「幸せから生まれる幸せ」や「あたりまえを、発明しよう。」とはどういうことなのかなど、色々なテーマで対話がなされました。

おそらく、一度に理解するには少し難しい部分もあったかもしれませんが、これから2日間の職場体験に臨むにあたり、当社が何を大切にしている、どんな想いを持つ会社なのかを、松村さんに感じとってもらえたのではないかと思います。

ダイアログセッション中の取締役・中里さん(左)と松村さん

 

<その2.子育てをする女性のワークライフバランスついて>

次に、産休や育休から職場復帰した後もバリバリ活躍されている女性社員代表として、就活会議ユニットの風間麻理子さん・福澤真生子さんと、1対1の質問会を実施しました。

松村さんが準備してきた質問に回答しながら、色々な経験談も飛び出しました。
例えば・・・

松村さん「この会社で女性に有利なこと不利なこと、男性に有利なこと不利なことって何かありますか?」
風間さん「リブセンスの良いところだと思っているんですが、入社して約8年、一度も性別を意識したことがないんですよ。女性だから仕事のチャンスがもらえないとか、子育てしているから働き方を制限しなきゃいけないとか、そういうことなく伸び伸び仕事しています。ちなみに、私は時短勤務ではなく、裁量労働制(企画職の場合)と、自分で定時を決められるマイ定時制度(※)を利用していて、会社にいる時間はみんなより少し早め&1時間短いですが、リモートワークでおうちでも仕事ができるので仕事量を制限せずに済んでいます。もちろん子育てするパパも同じ制度が使えるので、性別による不利はほぼないと思います。」
(※) 通常の就業時間(10:00~19:00)以外の定時を任意で選択できる制度

松村さん「異性と一緒に働くにあたって、何か考え方の違いなどで困ることはありますか?」
風間さん「ほとんどないですね。むしろ、今の就活会議のリーダー達は全員が子どもを持つパパママです。親になって家庭を大切にしながらも、仕事の幅を広げてステップアップしていけるところがいいなと感じます。あと、うちの子が夜泣きや手足口病で大変な時に『わかるわかる!ほんと大変だよね。うちもそうだったよ~。』と男女関係なく同じ目線で話ができて、理解してもらえることもすごくありがたいです。」

松村さん「復職前後で違ったところはありましたか?」
風間さん「違ったこととしては、復職する際に家庭と両立できるかな、周囲の理解を得られるかなとすごく不安がありました。でも、社内の歴代ママが集まるママ会に参加して『今こんなことで悩んでて』と相談すると『あるある!笑』と話を聞いてもらって情報交換できたことで気が楽になりました。」

風間さんが書いたブログ「復職するってどんな感じ?」も必読です 

 

松村さん「こんな制度があったらいいなと思うものはありますか?」
福澤さん「“ベビーシッターの利用補助”があるといいよね~と、よくママ社員同士で話してます。どうしても外せない大事な打合せや商談の日に子どもが熱を出した場合、仕事のためにベビーシッターに預けたいのですが、1時間2,000円ちょっとなのでフルタイムで預けたら、その日働いた給与が飛ぶくらいの金額になってしまうんですよね(笑)」

松村さん「子どもがいて働くことのメリットって何ですか?」
福澤さん「気分転換になる(笑)!私は産休だけで育休を取ってないんですよ。もともと外に出たい性格ということもあるけれど、育休中に子どもと2人で何ヶ月も一緒に家にいることは、きっと自分には向いていないと思い、産後休暇明けてすぐに職場復帰しました。体力的に大変だったので人には勧めませんが(笑)、仕事は仕事、家庭は家庭、とこまめに切り替えができた分、精神的には楽な面もあり、自分には合っていたと思います。」

松村さん「リブセンスで働いていて、いいなと思うことを3つ挙げるとしたら何ですか?」
福澤さん「1つ目は、物事の判断を感情論でなく論理的に話し合える人たちが集まっているので納得感高く仕事ができること。2つ目は、入社時からどんどん制度が充実しているし、既存の制度もより良い形にブラッシュアップしていこうとするところ。3つ目は、会社全体として、単にお金儲けやユーザー数増加を目指すのではなく、本質的な価値を提供しよう、社会に良いインパクトを与えようという想いで仕事をする人が多くて、それが自分に合っているなと思えることです。」

福澤さん(左)と松村さんの質問会の様子

リブセンスの、性別関係なく仕事に取り組める風土を感じてもらえたとともに、育児も仕事も両方楽しむパワフルなお二人から、色んな気付きを得た様子の松村さんでした。

 

<その3.男性から見た産休育休と職場復帰>

松村さんに、職場復帰した女性と働く男性社員、働きやすさに関わる制度や福利厚生に携わる人事にも話を聞いてみたいとリクエストいただき、総務の金原寛顕さんと人事の金土太一さんと座談会を実施しました。

松村さんから金原さんには、主に職場復帰する社員を受け入れについて質問がありました。
松村さん「職場復帰する方がいる場合に同じチームの方が配慮していることはありますか?」
金原さん「復帰後に置いてけぼりにならないように、復帰時期が決まったら情報共有や業務引継ぎの準備をして、復帰後も1on1ミーティングなど定期的にコミュニケーションをとる機会を作り、会社の状況を伝えたり、仕事の困りごとなどを随時解決するようにしています。」

また、松村さんから出た、女性の働きやすさのために作られた人事制度の有無に関する質問に対しては、人事の金土さんから次のような回答がありました。
金土さん「何か制度や福利厚生を考える際に、正直当社では性別で区別して考えたことがないですね。個々に違う従業員の1人1人がより働きやすくなるにはどうしたらいいか?という視点で考えています」

加えて、金土さんはリブセンスでは珍しくない男性の育休取得経験者。(参考:直近1年のリブセンス男性社員の育休取得率は58%。内閣府調査では2017年度で5.14%。)
松村さんの、育休を取られたことで変わったことはありましたか?という質問に対して、金土さんは次のように答えました。
金土さん「2ヵ月間育休を取得したのですが、子供が生まれる直前くらいから時間に対してよりシビアになった気がします。というのも、特に出産後しばらくの間は、いつ何が起こるか分からない状況なんですよね。なので仕事も以前よりも限られた時間で取り組む必要がありましたし、その時間内でやるべきことをやって成果を出せるよう強く意識するようになりました。」

世間一般的に「育休」や「職場復帰」は女性に結びつきやすいテーマのようですが、男性も女性と同じように「子育てをする」権利を持っている。だから性別に関わらず育休を認める空気づくりは、会社としても大切にしていることです。

松村さんの研究課題は「女性」が大きなテーマですが、男性の育休取得や、性別に偏らない物事の見方など、当社の社風が何かしらの参考になったら嬉しいです。

総務の金原さん(左)、人事の金土さん(真ん中)、松村さんの座談会の様子

 

<その4.働くを体験してみる>

最後は、2日間にわたり実施した業務体験。
不動産事業部所属・入社3年目の大橋さんが指導役になり、松村さんには成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR 賃貸」の企画運営部署の仕事を体験してもらいました。

業務体験の内容は、職場体験用に準備したものではなく、普段大橋さんが行っている実務。例えば、DOOR賃貸と競合サイトの比較、競合比較から導くDOOR賃貸の改善ポイント洗い出し&まとめ、DOOR賃貸サイトに新機能を実装する前の検証業務、チームの定例会への参加、と2日間とは思えない盛り沢山な内容でした。

初めは「PC操作に不慣れで…」と少し不安気だった松村さんも、飲み込みの早さと大橋さんの丁寧な手ほどきの甲斐あって、すぐに仕事のコツも掴んだ様子。
結果としては、予定していたすべての業務を完了し、さらに、競合比較の結果を資料にまとめるアウトプットまでしっかりとやりきることが出来ました!短期間にすごい!

松村さんからは「ちょっとしたお手伝いでも何でも良いので業務を体験したいなと思っていましたが、まさかこんなに本格的な仕事を経験させてもらえるとは思っていなかったので嬉しいです!」という感想を聞けて私たちも嬉しかったです!

業務体験中の松村さんと指導役の大橋さん(右)

職場訪問は社員にとっても刺激になる

あっという間に2日間の職場体験が終わりました。
今回、広報・CSRのメンバーだけでなく、色々な部署のメンバーに協力してもらえたことで、松村さんが希望していた内容をすべて実施することができました。

2日間をふり返って、松村さんからはこんなメールをいただきました。
この度はお忙しい中2日間も内容の濃い貴重な体験をありがとうございました!2月にいい発表ができるように、この2日で得た経験を今後に活かしていきたいと思います!本当に受け入れてくれてありがとうございました!」

松村さんの学校では、2月にオンラインで学外向けの課題研究成果発表会を実施される予定で、私たちもそれを楽しみにしています♪

また、協力してくれた社内メンバーにも感想を訊いてみたところ、こんな声が集まりました。

風間さん「普段大人ばかりと一緒に過ごしているので、高校生ならではの素直でまっすぐな質問をとても新鮮に感じました。また、それに答えることで改めて自分自身の働き方やリブセンスについて見つめなおすことができましたし、私にとっても学びがあり楽しい時間でした。またこのような機会があったらぜひ参加したいなと思っています。」

福澤さん「座談会の中で、「女性しかできない仕事は何ですか?」という思ってもみなかった質問を投げかけられ、私自身考えさせられる機会になりました。ありがたい事にこれまで仕事上での性差はあまり意識せずに働いてこれましたが、高校生が一般的に抱くイメージはそうではないのだろうか、とか、自分と同じように性差を意識せず働いたり評価してもらえる環境は果たして実際にどのくらいあるのだろうか、など「自分にとっての当たり前」を見つめ直すきっかけにもなりました。」

金土さん「育児休業の話や、女性が働きやすい環境を作るための制度など、高校生という立場上具体的にはイメージがしづらいと思うことについて、とても熱心にお話を聞いてくださったのが印象的でした。労務担当としては、女性に限らず全ての社員の方にとって働きやすい環境を整えることを目指しているので、今回の職場体験を通して、そういった視点も持っていただければ嬉しいと思いました。」

大橋さん「職場体験が、少しでも松村さんの将来のキャリアを考えるきっかけとなれば嬉しいです。今回、松村さんには普段私が行っている業務を一緒にやっていただきました。少し詰め込みすぎたかな…と心配していましたが、2日間とタイトなスケジュールの中、初めはPCの操作などなれない部分もあったかと思いますが、予定していた内容全てやりきり最後には当初予定していなかった、企画をまとめる作業までお手伝いいただきました。
松村さんに出していただいた改善案の中には、DOOR賃貸の運営メンバーに共有し、実際に施策として取り入れるものもあります。
私たちも松村さんから新しい視点をいただき大変勉強になりました。
松村さんの今後のご活躍楽しみです。そして、松村さんが一人暮らしするときにDOOR賃貸を使ってもらえるよう、今後もユーザーの皆様に圧倒的なご支持をいただけるサイトを目指していきます!」

優しい、熱い、広報もムネアツです!

そのほか職場体験の様子を見ていた社員からも、社内チャットでこんな嬉しい反応が…!


職場体験は、生徒本人の役に立つだけでなく、実は受け入れる側の私たちにも様々な気づきや発見、刺激があるんだと改めて感じました。

今回職場訪問に来てくれた松村さんのフィールドワークが、実りある課題研究に繋がることを陰ながら応援するとともに、当社で過ごした2日間が今後の進路を考える際のヒントや参考になれば嬉しいなと思います。

職場訪問や就業体験を実施する学校は年々増加傾向にあるようなので、当社の事業や理念など、興味をもっていただけるポイントがあれば、ぜひ気兼ねなく訪問のご相談をいただけたらと思います!