こんにちは。リブセンス広報担当です。

リブセンスでは、まだ少ないですが外国籍のメンバーも活躍しています。今回は、Analyticsグループで、転職クチコミサイト「転職会議」正社員転職サイト「ジョブセンスリンク」を担当するホアン・ナバーロ(アルゼンチン出身)にインタビューします。

Analyticsグループのホアン・ナバーロ

Analyticsグループのホアン・ナバーロ

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ホアンさんがリブセンスを知ったきっかけは何ですか?

ホアン:
私は、転職する際に「自分のスキルを活かせること」「仕事を通じて成長できること」「社会に貢献できること」を基準に企業を探していました。転職は、誰でも不安ですし、どんなに自分がやりたいことと求人票に記載された仕事内容が一致していても、社内の様子や雰囲気といった職場環境が自分に合っているかどうかまでは分かりません。特に、日本企業というと“朝早くから夜遅くまで働いて、激務で・・・”というイメージがあったので、きちんと調べないと怖い!と思いクチコミサイトで調べることにしました。それが、転職クチコミサイト「転職会議」だったのです。

初めは、「転職会議」をリブセンスが運営しているとは知らずに使っていました。日本企業で働いているたくさんの方々のクチコミを見ていて、入社前のイメージと現実とのギャップに悩んでいる人が多いことに気づき、このサービスは、そんな辛い思いをしてしまう人を減らすのに役立つと感じました。そんな時、「転職会議」を運営しているリブセンスが人材募集をしているのを知ったのです。

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数ある日本企業の中で、リブセンスに入社を決めた理由は何ですか?

ホアン:
私の場合、普通の堅い面接ではなく、初めにカジュアル面談というかたちで、転職会議メディアグループリーダーの島川さんと会いました。面談では、“この技術すごいよね!”“この技術を使ったら、もっとこんなことができるようになるよね!”というような最新技術の話で盛り上がって、1時間の予定だったのに、気付いたら2~3時間経っていました(笑)その後、「Tech Night」というエンジニア向け社内イベントに参加し、他のメンバーとも話してみて“ここなら大丈夫!”と感じました。

私は、大学で数学と形式論理学等を中心としたコンピューターサイエンスを、大学院修士課程で主に人工知能や自然言語処理を研究していました。リブセンスなら、自分がこれまで学んできた技術・スキルを活かせるし、社会に貢献できる。そして、このメンバーとなら、新しいことにワクワクしながら一緒に成長できると思い、入社を決めました。

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実際に入社して、どんな仕事に携わっていますか?

ホアン:
昨年3月に入社してから、Analyticsグループという各事業のデータ解析等を専門に行う部署に所属しています。10名程のメンバーが、リブセンス独自の分析基盤システムの開発やそれを使った分析を始め、事業ごとのさまざまなプロジェクトを担当しています。私は現在2つのプロジェクトに携わっています。

1つは、正社員転職サイト「ジョブセンスリンク」の求人レコメンドエンジンの開発です。ジョブセンスリンクを使う求職者(ユーザー)の方々へ、登録情報や閲覧状況、過去の応募状況などに基づき、それぞれ興味がありそうな求人を紹介するアルゴリズムを開発。ジョブセンスリンクのサイトやメールマガジンに反映させることで、マッチング精度を向上させる取り組みを行っています。私が入社してからずっと携わっているプロジェクトなのですが、レコメンドの質が上がれば上がるほど、すぐにユーザーの反応にも現れるのでモチベーションになります。実は、このプロジェクトによってマッチング率が上がったんですよ。私の仕事が、ユーザーにも売上にも貢献できたというのは、とっても嬉しかったです。

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もう1つ、入社のきっかけとなった「転職会議」のプロジェクトも担当していますよね?

ホアン:
はい。日本最大の転職クチコミ件数を誇るサイトに携われるというのは、本当に嬉しいですね。転職会議のプロジェクトでは、ユーザーが投稿してくださったフリーテキストのクチコミデータを、自然言語処理技術を使って情報を抽出・解析し企業の特徴がわかるようにしたり、ユーザーが取り上げている話題を自動認識させてサイト表示手法を工夫したりしています。このプロジェクトは、大学の研究者の方にアドバイスをいただきながら進めているプロジェクトで、現在はまだ効果検証の途中なのですが、最先端の技術を使って転職会議をもっともっとすごいサービスにしていきたいです。

入社前、転職会議を1人のユーザーとして使っていた時、これはどのクチコミサイトでも言えることかもしれませんが、本当にユーザーが書いたとおりに掲載されているのかな?企業の都合の良いように加工されていたりしないのかな?と、少し疑問に思っていました。でも、実際に携わってみて、転職会議独自の基準によってチェックはされているものの、ユーザーのクチコミはきちんと掲載されていることを知って、もっと転職会議が好きになりました。私が研究開発した技術によって、苦しい立場で働いている人の助けになったり、データを活かして会社の制度や環境が改善されたり、みんなが自分に合った職場で笑顔になれるといいですね。

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最先端の研究開発を、母国語ではなく日本語で行っています。すごく大変なことだと思うのですが。

ホアン:
そうですね。日本で働いて大変だなと思うのは、言葉と通勤ですね(笑)
元々言語に興味があって、言語そのものの構造やなぜ人間が話せるのかなどについて研究してきました。日本語も、アルゼンチンにいた頃から個人的に勉強していましたし、日本へは3ヶ月くらい観光したり、半年くらいボランティアしたりと、滞在経験もありました。でも、やっぱり日常会話と仕事で使う日本語は違います。特に、プレゼンテーションをする時は、それほど緊張するタイプではないけれど、伝えることの難しさを感じます。リブセンスは、柔軟性のある職場ですが、仕事については結構厳しい職場だと思います。Analytics部門という特性なのかもしれませんが、解析結果を伝える場合など、曖昧な表現で話すと次々質問が飛んできます。それだけ、技術的な部分にみんなこだわりがあるということなのでしょうね。日本に引っ越しして3年。読み書きは大丈夫ですが、まだまだ勉強の日々です。

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ところで、ホアンさんが日本で働こうと思ったきっかけは?

ホアン:
日本に来たのは、運命です!10年ほど前から日本語を勉強し始めて、そうしたら日本人の友人ができて、色んな偶然が重なって。

東日本大震災が起きたとき、日本人の友人が大丈夫かと心配になり、彼らは大丈夫でしたが、縁の深い日本の人たちが被災して大変だということで、ボランティア団体へ連絡をとりました。自分にも何かできるはず。何かできるのであればやるべき。そう思い、大学院での勉強などアルゼンチンでの生活を全て中断して日本に来ました。もちろん、物資を送るという支援方法もありますが、テレビなどで震災の状況を見て、それだけでは解決できないと思ったのです。

当時、多くのボランティアの方々が他者のために何かしたい助けになりたいと集結して、様々な活動をしていました。その中でも私は、被災してしまった人たちの話を聞いたり、仮設住宅へ物資を配布して回ったりする活動をしました。必要とされているのは、痛みや悲しみを誰かが聞くことだと思ったからです。家族も、家も、大切なものを何もかも失って、山奥の仮設住宅で、1人で、辛くて自殺をしてしまった方もいらっしゃいました。孤独やどうしようもない悲しみを、少しでも軽くできるのは、やっぱり人だけだと思うのです。何も関わりのない自分に、いろいろ話して少し楽になればと。印象に残っているのは、仮設住宅へ普通に物資を届けるだけではなく、モバイル・カフェをいう専用の車でカフェサービスを届けた時のことです。カフェという人が交流できる場を作ったことによって、知らない人同士が集まった仮設住宅に会話が生まれました。人と話せるきっかけができたことで、皆さんの表情は少しずつ明るくなっていきました。本当に来てよかったと思いました。

私たちは、普段、自分のまわりの人の貴重さ大切さを意識していないけれど、もっともっと大切にすべきだと思うのです。何が起こるかわからない。この世で生きているのはたった1度だけ。精一杯生きよう、意義深い生き方をしよう。そんな思いがより強くなりました。半年間のボランティアを終えて帰国する時、被災地の人たちが泣いてくれました。私の人生において大きな出来事となりました。

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プライベートでは、最近パパになりましたよね。おめでとうございます!何か心境の変化はありましたか?

ホアン:
ありがとうございます!パパになって、生まれ変わったような気がします。とにかく毎日嬉しくて仕方がない。街で学生さんが歩いていたら、娘もいつかこうなるのだなとか、そういった日常的なことを始め、ものごとに対する考え方や見方が一変しました。今までも夢ややりがいを持って仕事に取り組んできましたが、パパになって、娘に自分の人生をみて尊敬してもらえるようにしたい!と思うようになりました。
あと、この場をかりて、メンバーや会社に御礼を言いたいです。娘が生まれてから3ヶ月間、育児休暇をいただきました。休暇中、妻を支えることもできたし、娘の人生の最初の時間を一緒に過ごすことができました。本当に貴重な宝物です。まわりのメンバーのサポートに心から感謝しています。

広報:
リブセンスの場合、男性社員も結構育児休暇を取っていますよね。娘さんにさらに尊敬してもらえるパパになるために、今後、ホアンさんがチャレンジしていきたいことは?

ホアン:
実は、大学院の博士課程へ行くことにしました。もちろん仕事と勉強と家庭と、両立させるのはチャレンジングなことだと思います。でも、技術は日々進歩していくので、最先端の技術を研究してレベルアップしていかないと、今すごいと思ってもすぐに普通になってしまいます。これまでは、文字列のデータ解析・処理に過ぎませんでしたが、もっと言語的な観点から、文章の構造を理解することで内容も理解できるようになるような研究に取り組んでいきたいです。そして、積極的にサービスにも取り入れていくことで、私自身の成長と事業・会社の成長、両方に繋げていきたいと考えています。

ホアンさん、ありがとうございました。