こんにちは。リブセンス広報IR担当です。

リブセンスが2014年2月14日に発表した2018年12月期を最終年度とする中期経営計画「Livesense2018」について、各施策のキーパーソンにインタビューし、具体的な取り組みや進捗についてお伝えするこの企画。第6回目は、正社員転職領域を担当するキャリア事業部 部長の鵜飼です。
足元の課題や業績向上策を含め、2018年12月期の目標達成に向けた成長戦略、取り組みについて質問したいと思います。

キャリア事業部 部長 鵜飼勇人

広報IR:
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」の印象が強いリブセンスですが、正社員転職サイト「ジョブセンスリンク」は2008年5月から、転職クチコミサイト「転職会議」は2010年7月からサービス提供を開始しています。
これらのサービスを担当されているキャリア事業部について、どのような組織か教えてください。

鵜飼:
キャリア事業部は、35名超、アルバイト・派遣社員を含めると110名を超えるリブセンス最大の組織です。エンジニアが中心に在席する「ジョブセンスリンク メディアグループ」や「転職会議メディアグループ」、新規のご導入等を推進する「セールスグループ」、ご利用企業様のサポート等をさせていただく「クライアントリレーショングループ」、求職者の方々をサポートさせていただく「ユーザーリレーショングループ」と、大きく5つのグループに分かれています。
メディアグループでは、安定的にサービスをご利用いただくための運用に加え、サイトのユーザビリティ向上に繋がる改善に日々取り組んでいます。サイト上の検索性や閲覧性の向上、機能拡充を図ることで、求職者の方々がよりスムーズに仕事探しができるよう、技術面から支援しています。
セールスグループは、ジョブセンスリンクの特長をお伝えし、採用活動を行う企業様に新規のご導入やご利用促進を図っています。
クライアントリレーショングループは、企業様のお申込みから掲載までをスムーズに行うためのサポートや、ご掲載後の日々のサポートを行っています。今年から、求職者の方々により各企業の魅力や求人内容が伝わりやすくなるよう、掲載原稿の作成代行も始めています。
ユーザーリレーショングループは、ジョブセンスリンクに会員登録いただいた求職者の方々へ、ご希望に合った求人のご紹介や面接のアドバイス等を電話で行い、ユーザー目線でのマッチングサポートという立ち位置で、採用までのサポートに取り組んでいます。

広報IR:
求職者への電話サポートについて、同業他社の求人紹介サービスでは、対面で担当コンサルタントの方が面談を行うのが一般的ですが、ユーザーの反応や手応えはいかがでしょうか?

鵜飼:
対面コンサルティングの場合は、比較的マネジメント層や専門性の高さ・経験が問われる求人を中心にサービス提供されていることが多いようですが、ジョブセンスリンクでは、“全ての転職者に対して適切なマッチングを提供する”ことを念頭に置き、応募書類の作成や面接のアドバイスまで行っています。電話サポートサービスを始めて未だ半年超ですが、求職者の方々からは、「こんなサポートを受けたのは初めて。びっくりした。」「自分の新たな可能性を見出すことができた。」「採用決まりました!」など感謝のお声も頂いていますし、徐々に効果が出始めていると実感しています。
今期上半期でサポートチームの体制づくりを図ってきたので、下半期以降は、サポート品質の向上や規模拡大を図っていきたいと考えています。

広報IR:
転職クチコミサイト「転職会議」について、改めてどのようなサービスなのか教えてください。

鵜飼:
一般的に求人情報や企業情報は、企業側から発信される情報がメインで、転職活動において“入社後のギャップ”が付き物でした。入社後のギャップは、求職者にとっても採用企業にとってもデメリットと言えます。こうした課題を解決するサービスとして、2010年7月、転職クチコミサイト「転職会議」は生まれました。転職会議では、求職者の方々が会員登録し、現在勤めている会社や過去に勤めていた会社の福利厚生・やりがい・雰囲気をはじめとするクチコミ情報を書き込むことで、ご自分が志望される会社等のクチコミ情報を見ることができるサイトです。今年3月には会員登録者数が100万人を突破し、8月にはクチコミ情報(文章記載ベース)が100万件を超えるなど、加速的に成長を続けています。
また、2012年5月からは、クチコミ情報に加え求人情報も掲載し、求職者の方々が志望企業の情報収集だけでなく求人応募までできるよう、サービスを拡張しています。

広報IR:
転職会議の売上は、第2四半期(4-6月)で7,100万円(売上高比率6.2%)まで増えてきています。収益モデルはどのようになっているのでしょうか?

鵜飼:
株式会社キャリアデザインセンター(『@type』を運営)、ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社(『イーキャリア』を運営)、株式会社マイナビ(『マイナビ転職』を運営)を始めとする大手求人情報サービス会社と業務提携し、転職会議上に各社が持つ求人情報を転載いただいています。これらの求人へ転職会議の会員が応募すると、提携先の大手求人情報サービス各社から送客フィーを頂戴するモデルです。
今後は、会員の皆様がよりマッチした仕事に巡り合えるよう取り扱い求人数を増やすべく、提携先を広げていきたいと考えています。

広報IR:
正社員転職市場について、規模や動向、競争環境を教えてください。

鵜飼:
中期経営計画において、正社員転職市場は約1,750億円と発表していますが、景気動向や人材流動化等を背景に転職市場は拡大しており、もう少し大きいのではないかと考えています。サービスの動向としては、職種やキャリアによって分類された専門サイトが増えており、サービスの細分化が進んでいます。会員制転職サイトやレコメンド型転職サイトなど、新しいタイプのサービスも出てきています。9月からハローワークの持つ求人情報が民間の求人サービス会社に開放されるなど、事業環境としては追い風だと考えています。
一方で、多数の競合企業が鎬を削る市場であることは事実です。ジョブセンスリンクや転職会議では、これまで以上に差別化を図っていくことが重要だと考えています。

広報IR:
ジョブセンスリンクや転職会議の差別化を図っていく上で、現状の課題や注力すべきポイントは何でしょうか?

鵜飼:
現状の課題や注力ポイントは、大きく4つあります。
1つ目は、ジョブセンスリンクにおける対ユーザー(求職者)に関する課題です。ターゲットとなる求職者の方々の転職活動は、徐々にスマートフォン利用にシフトしてきており、これまで以上にスマートフォンサイトのユーザビリティ向上を図る必要があると考えています。また、ジョブセンスリンクを使って採用された求職者の方々には、最大10万円のお祝い金を贈呈していますが、贈呈方法や認知面等未だ改善余地があると考えています。
2つ目は、ジョブセンスリンクにおける対顧客企業様に関する課題です。成功報酬型で採用が決まるまで一切費用を頂かないサービスということからご好評は頂いていますが、企業様のニーズに合ったオプションサービスの提供等、未だ改善余地があると考えています。またセールスチームの強化により、新たなご導入企業を増やすことで求人掲載件数も増やしていきたいと考えています。
3つ目は、先述の求職者への電話サポート強化です。早期に最適化を図り、マッチング率の向上に繋げていきたいと考えています。
最後は、転職会議をクチコミサイトから包括的な転職支援サービスへ進化させることです。こちらも先述の通り、クチコミを見て情報収集するだけに留まらず、ワンストップで転職活動が行えるよう、サービスを拡充させていきたいと考えています。

広報IR:
最後に、キャリア事業部が2018年に目指す姿、転職業界をこう変えていきたい!というビジョンを教えて下さい。

鵜飼:
キャリア事業部では、1月に改めてビジョンの見直しを行いました。一部の求職者だけでなく、全ての求職者が最適な仕事(Best Job)に就けるよう、求職者の方々に寄り添う総合転職サービスの実現を目指します。もちろん、最適な仕事に就くということは、入社後のギャップやミスマッチがあっては実現できません。一方向の情報ではなく多面的な情報提供によって、誰もがBest Jobに巡り合えることを“新しいあたりまえ”にしていきたいです。

 

鵜飼さん、ありがとうございました。
第7回は、不動産情報メディア事業を担当するdoor賃貸ユニットリーダーの織田健太朗へインタビューします。