こんにちは。リブセンス広報IR担当です。
リブセンスが2014年2月14日に発表した2018年12月期を最終年度とする中期経営計画「Livesense2018」について、各施策のキーパーソンにインタビューし、具体的な取り組みや進捗についてお伝えするこの企画。第4回目は、アルバイト・派遣領域を担当するアルバイト事業部 部長の細井です。
今回は、足元の課題や業績挽回策を含め、2018年12月期の目標達成に向けた成長戦略、取り組みについて質問したいと思います。
広報IR:
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」については、昨秋から続く求職者不足やWebマーケティング対応の遅れにより、サイトへのユーザー集客に苦戦する中、2014年初旬より、ジョブセンスを通じてアルバイト求人に応募したユーザーへ電話でサポートし、応募率・採用率の向上に繋げる施策を始めました。開始から半年超経ちましたが、ユーザーの反応や手応えはいかがでしょうか?
細井:
ジョブセンスの使命は、ご利用下さる求職者の方々が、それぞれにとって良い仕事を見つけること、そして採用が決まり充実して働けることです。それを実現するに至るまでの間に求職者の方々が乗り越えなければならない壁、例えば「探す」「応募する」「面接する」「採用される」等を、よりスムーズに乗り越えられるようサポートするサービスの1つとして、電話によるサポートサービスを開始しました。
初めは、突然の電話に驚かれたり、あまりお力になれなかったりと手探り状態でしたが、少しずつ成果が見え始め、求職者の方から感謝のお言葉や採用された!と喜びの声をいただくことも増えてきました。これは、応募率や採用率の向上に繋がるということも勿論ですが、担当させて頂いているメンバーや事業部全体のモチベーション向上にも繋がっています。また、求職者の方の声や、数字面の変化から、「応募して終わり」にせず、その先も寄り添うサービスのニーズは確かに存在するという手応えを感じています。
一方で、運用の効率化やサポート内容・範囲の拡大など、まだまだ改善すべき課題はあります。下半期は、改善を重ねていくことで、業績改善を図っていきます。さらに、中期的にはジョブセンスならではのサポートサービスとして、差別化ポイントの1つになればと考えています。
広報IR:
サイトへのユーザー集客施策として、2013年第1四半期途中からWeb広告の出稿を開始しています。具体的に、どのような広告を出し、どのような効果が上がっているのでしょうか?また、他のアルバイト求人サービス会社が多額のテレビCM出稿をする中、ジョブセンスでは今後の広告出稿方針についてどのように考えているのでしょうか?
細井:
Web広告は、リスティング広告(GoogleやYahooなどの検索結果ページに掲載される広告)やリターゲティング広告(自社のサイトを訪れたことのある人に限定して、再訪を促すような広告)、バーティカルメディア(ある領域に特化し、他の複数サイトからその領域の情報を集めて掲載しているメディア)等を使っています。次々と新しい広告形態が出てきますので、常に専任のチームが積極的な情報収集を行い、試行錯誤を繰り返しながら最適化を図っている状況です。
成功報酬型ビジネスモデルでサービスを運営しているため、1人のユーザー集客にかけることができるコストやROI(Return On Investment)の管理も明確にできます。このため、当初より費用対効果の管理は徹底してきましたが、広告出稿を始めて1年余り経ち最適化が進んできたことで、昨年よりもかなり収益性は上がってきています。
今後の広告出稿については、今期下半期はテレビCMを行わず、Web広告を中心に行っていきます。新たな広告手法にもチャレンジしながら集客チャネルの分散を図り、ジョブセンスへのユーザー囲い込み施策に取り組んでいきます。
広報IR:
アルバイト求人情報掲載数の増加施策として、「既存導入企業への利用促進」や「未開拓企業へのアプローチ」を推進しています。リブセンスの従業員構成のうち、専任の営業担当は5%しかいませんが、今後は人手をかけていくということでしょうか?
細井:
成功報酬型のビジネスモデルでは、掲載に費用が一切かからない分サービス導入の敷居が低い上、一度ご導入いただいた企業様はほとんどが継続利用して下さることもあり、限られた営業人員数だけで事業拡大できる、そして営業コストが抑えられる分企業様に比較的安い費用でサービス提供できるというメリットがあります。一方で、企業様とのコミュニケーション機会が限られてしまい、ニーズをしっかりとお聞きしサービス改善に繋げられていなかった点は課題でした。そこで、今後はWebやテレマーケティングを活用した企業様へのアプローチを強化し、効率性も保ちながらコミュニケーションの機会を増やしていきたいと考えています。組織変更等を経て、攻めるべき時に攻められる体制づくり、体制強化はすでに始めています。早々に課題解決そしてご利用満足度を上げていくことで、掲載数増加に繋げていきます。
広報IR:
新たな収益柱の確立施策として、「企業ニーズに則したオプションサービスの提供」を推進しています。具体的には、どのようなサービスを予定しているのでしょうか?
細井:
成功報酬型の特性上、人材の補充や安定的な採用には強い一方で、短期間での大量採用や急募などといった瞬発力が必要な採用ニーズには、これまでご対応が難しい状況でした。また、1人当たりの採用コストを計算すると成功報酬型のサービスの方が費用対効果の高いケースが多いのですが、一部の大手企業等では社内の予算取りや稟議手続き上、従来の掲載課金型の方が使いやすいと仰る企業様もいらっしゃいます。
これまでジョブセンスでは、成功報酬課金に絞ってシンプルなサービス提供をしてきましたが、これまでお応えできていなかった企業様のニーズにお応えするサービスをオプション形態等で提供し、ご利用満足度の向上と機会損失の低減をを図ってまいります。すでに、何社かの企業様にはテスト導入いただいておりますが、反響も良いため近日中には本格提供開始を予定しております。
ただし、やはり中長期ではインターネットサービスに適した、企業様にとってメリットのあるサービス形態は成功報酬型であるという信念に変わりはありませんし、オペレーションについても可能な限り単純化し、リブセンスらしく効率的な事業運営を継続していきます。
広報IR:
アルバイト求人広告市場について、規模や動向、競争環境を教えて下さい。
細井:
中期経営計画で発表したように、アルバイト求人広告市場は約1,500億円と大きな規模です。さらに、今年は人手不足による採用難の影響で、求人広告出稿がかなり積極的に行われていることから、市場規模は膨らんでいるものと想定されます。このうち未だ紙媒体の割合も半分近くありますが、年々インターネットサービスへのシフト、そしてPCからスマートフォンへのシフトが進んでいます。こうした動向は、ジョブセンスにとって追い風です。ジョブセンスでもスマートフォンユーザーの比率がPCユーザーを大きく上回っています。今後は、スマートフォンサイトのユーザビリティ向上により注力していきます。
競争環境については、成功報酬型のビジネスモデルでの競合は意識していませんが、足元の採用難という状況下において、従前の掲載課金型によるサービス提供企業各社が大変好調です。先述のようなオプションサービス等の提供をもっと早くスタートしていれば、環境の変化にも対応でき、現在の企業様のニーズにもっとお応えできていたのではないかと、悔やまれてなりません。歴史や経験を積み重ね市場を創り上げてこられた各社の凄さに敬意を表すると同時に、改めて、ジョブセンスの課題や注力施策が明確になりました。まだまだ大きな市場の小さなサービス。しかし、ジョブセンスは企業様や求職者の根本的な問題解決に繋がるサービス、メリットのあるサービスだと確信しています。今こそチャンスだと考えています。
広報IR:
リブセンスでは、上半期に大幅な組織変更を行い完全ユニット制となりました。ジョブセンスを運営するアルバイト事業部の現状の課題は何でしょうか?
細井:
ジョブセンスの課題は、概ね下期の注力ポイントとして発表させていただいた内容になります。速やかに対応し、ご利用満足度そして業績向上に繋げます。
事業部としての課題は、中長期的な事業成長を図っていくためにも、そのベースとなるメンバーの成長をいかに促進していくかだと考えています。サービスをまたがる横断型組織からユニット制に変わったことで、事業部内での意思決定や取り組みのスピードは徐々に上がってきていますが、未だ慣れていない部分もあります。改めて、中計達成に向けた方針やロードマップの具体化・共有、ナレッジ共有を推進していきます。
広報IR:
ジョブセンスでは、中期経営計画を達成していく上で必要不可欠となるサービスビジョン・事業理念を6月末に刷新しました。その内容について教えて下さい。
細井:
この半年余り、様々な課題と向き合ってきました。その中で、中長期の成長を見据え、改めてメンバーの声を集め、ジョブセンスのミッション・ビジョンを再構築しました。メンバーの意見で共通していたのは、ジョブセンスはただ求人案件が探せればいいわけでも、ただ求人広告が載せられればいいわけでもない。求職中のユーザーは、目的があって働こうとしている。企業も、自社の目的があって採用活動を行っている。ジョブセンスは、そうした本来の目的を達成するためのベストパートナーとなるべきだし、両者が求めているものがマッチする場所である。つまり、「ユーザーの未来を輝かせる」こと。これが、ジョブセンスの新しいビジョンです。ベストなマッチングとは、案件がきちんと見つかり、繋がり、働き、そして輝けること、求職者と企業がお互いにパートナーとして共存できるようにすること。一見青臭いかもしれませんが、ジョブセンスは、このような考えを大切にして進んでいきます。直近は、事業成長に向けた様々な取り組みに手応えを感じ始めています。新しい事業理念のもと、中期経営計画の達成、そしてジョブセンスが「あたりまえ」のサービスになることを目指して拡大していきます。
細井さん、ありがとうございました。
第5回は、正社員転職領域(転職サイト「ジョブセンスリンク」、クチコミサイト「転職会議」)を担当するキャリア事業部 部長の鵜飼勇人へインタビューします。