こんにちは。リブセンス広報IR担当です。
リブセンスは、2014年2月14日、2018年12月期を最終年度とする中期経営計画「Livesense2018」を発表いたしました。
これは、事業規模拡大に伴い従業員数が増加する中、経営理念「幸せから生まれる幸せ」やコーポレートビジョン「あたりまえを、発明しよう。」を全社一丸となって実現していくために、具体的な目標や戦略を明示し意思統一を図る必要があったこと、また、中長期投資を行う海外機関投資家等から中計に関するご質問を多数いただいており、公式発表することで理解深耕を図りたかったことが背景にあります。
スタート年である2014年は、「事業基盤強化(成長のための先行投資)」の年と位置づけております。
業績面においては、事業環境等の影響もあり非常に厳しいスタートとなっておりますが、達成に向けた諸施策は着実に進んでおります。
そこで、広報IR担当が各施策のキーパーソンにインタビューし、具体的な取り組みや進捗についてお伝えしたいと思います。
第1回目は、組織面を統括する取締役の桂です。
広報IR :
中計のスタート年である今年は、「組織元年」ということで、「採用強化」「組織整備」「人材育成」の側面から様々な取り組みが始まっています。具体的に、どのような取り組みを行っていますか?
桂:
2013年2月8日(設立8年目の記念日)に、コーポレートビジョンを「あたりまえを、発明しよう。」へ変更しました。あたりまえを発明し続けていくための組織づくりは、新しいビジョンづくりから始まっていたと言えます。2013年は、主に方針固めや枠組みづくりを行い、2014年上半期で整備を進めてきました。
具体的には、人事理念の制定や人事制度の変更、ユニット制への組織変更、グループリーダー以上を対象とした管理職研修の実施、エンジニア等の勉強会開催、LVP表彰の実施、採用サイトのオープン、従業員向け調査(LIVESENSE Happiness Survey)の実施などです。中でも、基盤となる組織整備の取り組みとして、人事制度の変更や浸透に注力しています。
広報IR:
ユニークな人事制度だな、と思う一方、正直なところ、浸透はこれからという印象があります。
改めて、新しい制度について、意図や概要を教えて下さい。
桂:
人事制度は、リブセンスが目指す姿(あたりまえを発明し続けていける会社)を実現するための組織施策の1つです。そして、リブセンスの組織を構成する1人ひとりの人材のあるべき姿(目指す姿)は、「Y字型人材」だと考えています。Y字型人材は、例えば、「実行」において「挑戦」だけでなく同時に「継続」も重要な要素であるように、一見異なる能力を併せ持ち掛け合わせることで、より高い目標や成果を上げることができる乗算的な人材です。
新しい人事制度では、リブセンスメンバーのキャリアパスや評価、報酬について、「Y字型人材」を基軸にそれぞれ明確化しました。
キャリアパスにおいては、「Band制度」を設け、各自の適正や志向を尊重し「マネジメント職」「プロフェッショナル職」「エキスパート職」の3つのコースに分かれ、それぞれ7つの成長段階をステップアップしていきます。評価制度は、各自のコースや成長段階(Band)に応じた目標設定を行い、期中・期末に行う上長との面談を通してお互いに納得できる評価、そして成長サポートができる仕組みになっています。また、報酬についても、あらかじめBandに応じて基準金額が定められ、評価に応じて成果賞与が決まります。
広報IR:
目指す姿や評価のポイントが明確になったことで、みんなの納得感やモチベーション向上に繋がるのではないかと思います。
桂:
そうですね。目に見えるような効果が出るには少し時間がかかると思いますが、様々な取り組みを通して焦らずに浸透させていきたいと思っています。
広報IR:
上半期、ユニット制への組織変更がありました。変更の目的と、敢えて4月・7月の2度に分けて変更した背景を教えて下さい。
桂:
昨年までは、事業の企画や運営を行う部門と、サイトのデザイン・システム開発や運用を行う部門に大きく分けていました。エンジニア同士の情報共有が促進されるという意味では、効果的な枠組みだったと思っています。
ただ、各サービスを専任で担当するエンジニアの人数も以前に比べて増え、企画・運営担当と連携しサイト改善のスピードを向上させていくには、「ユニット制」の方が適していることから、今年上半期に変更しました。
1度目は、大枠となる各々の事業部門とシステム開発運用部門を統合、2度目は、デザイン部門やWebマーケティング部門を含め変更し、事業ごとのユニット制が完成しました。人数やマネージャー層の成長に併せて、段階的に変更したという背景もあります。
広報IR:
確かに、社員数は増えましたね。私が入社した頃、学校の1クラスもいないくらいで、女性社員がまだ10人未満だったのを覚えています。
ベンチャー企業の成長過程においては「100人の壁がある」とよく言われますが、現在、壁に感じていることはありますか?
桂:
人数が増えることで、どうしてもお互いの仕事が見えにくくなりシナジー損失が発生したり、ロイヤリティが下がってしまう或いは人によって程度の違いが発生したり、ということは、多かれ少なかれ起きると思います。
リブセンスでは、壁をしっかり乗り越え、強い組織を作っていくために、コーポレートビジョンや人事制度の変更を早めに行ってきました。
また、お互いを知り、尊重・協力していくという意味で、コミュニケーションの場を作ることが大切です。具体的には、「ランダムランチ」や「リブ活(クラブ活動等)」、専用の情報サイトを使ったナレッジ共有、職種(エンジニア等)別の勉強会、全社定例会などを実施しています。
広報IR:
ところで、普通の会社は「人事部」や「研修部」と名乗るところを、リブセンスでは「触媒部」とネーミングしています。その意図や思いを教えて下さい。
桂:
触媒という言葉は、“化学反応の前後でそれ自身は変化しないが、反応の速度を変化させる物質”という意味があります。
人事部門の役割は、企業の規模や成長過程によって変化します。創業から上場まで、会社の原型を創ってきたステージから、事業規模や人員数が徐々に増えてくる中で、ビジョンを含め人事制度の策定といった方向性の明確化・先鋭化を経て、現在、人事部門の役割は「反応を加速」させることだと考えています。
また、人事部門は、リブセンスメンバーが働きやすい環境を整備し、下支えしているに過ぎません。つまり、実際には人間(にんげん)を扱っているのではなく、人間(じんかん)を扱っているのです。
そういった意味合いを明確化させるために、「触媒部」と名付けました。
広報IR:
会社組織は、学校でも部活でも家庭でもありません。営利組織そして上場企業である以上、しっかりと企業価値を高めていく責任があります。
触媒部を主管する取締役として、中計達成に向け、どのような点に注力していきますか?また、2018年のリブセンスはどうなっていると想像されますか?
桂:
まずは、上半期に整備してきた諸施策を浸透させていくことです。「人材育成」「採用強化」に関する取り組みに注力していきます。「できる人ができる」だけでなく、チャレンジングな仕事に携わっていける場を創ることで、会社全体としての価値向上に繋げていきたいと考えています。
2018年のリブセンスは、ユニット制が加速していると思います。新たなサービス、新たな「あたりまえ」の創出によって、ユニットそのものの数が増える上、それぞれ活発化し運動量の多い組織になっているのではないでしょうか。
桂さん、ありがとうございました。
第2回は、事業面を統括する取締役の中島真へインタビューします。