2018/12/28

「転職ドラフト」に学ぶ成功するチームの条件

こんにちは、広報です。

12月13日に行われた「Ruby bizグランプリ 2018」で、転職ドラフトが「Pricing Innovation賞」を受賞しました。Ruby bizグランプリは、Rubyの特徴を活かし、ビジネス領域で新たなサービスを創造し、世界へ発信している企業・団体・個人を対象としたグランプリです。Rubyの開発者・まつもろゆきひろ氏が審査員長を務め、第4回となる今回は過去最多となる総計40件のエントリーがありました。

転職ドラフトが受賞した「Pricing Innovation賞」は、価格に着目した独創的なサービスを展開している企業に贈られる賞です。受賞の感想を、転職ドラフトのプロジェクトリーダー星野さんとプロダクトマネージャーで転職ドラフトを立ち上げからリードしてきたエンジニアM氏(ご本人の希望により匿名とさせていただきます)にインタビューしました!

「転職ドラフト」チームメンバーで記念撮影

◆受賞の背景にあった転職ドラフトの哲学~「フェア」であることの追求~

広報:Pricing Innovation賞、受賞おめでとうございます!!

星野:ありがとうございます。

広報:少しテンション低くないですか……?

星野:大賞取りたかったですね(笑)

広報:確かにちょっと悔しいですよね。

星野:でも、「転職ドラフト」が社会課題を解決しようとしている、イノベーションを起こそうとしていることが客観的に認められたということだと思うので、そこは素直に喜びたいです。

広報:転職市場のイノベーションを目指してきたのが「転職ドラフト」ですもんね。今の転職市場の課題をどう捉えていますか?

星野:まず、情報の非対称性ですね。転職は個人にとって非常に重要なライフイベントなのに、求職者が持っている情報はごく一部です。しかも、(企業の)ポジティブな情報しかオープンにされません。一方で、企業側はさまざまな求職者の情報を持ち、比較しながら採用の意思決定ができます。双方の間に情報格差が存在するのが転職市場の課題のひとつだと思います。

転職ドラフト」プロジェクトリーダーの星野さん。いつも真剣です

広報:Mさんはいかがですか?

M氏:一言で言うと、フェアじゃない。またはフェアに見えないことが大きな課題だと思っています。今までの転職プラットフォームは、求職者よりも採用する企業側を向いて作られたものが多いのです。企業側を向いている分、求職者にとって使いづらかったり、場合によっては不利益を被ってしまっている部分があります。だから求職者から見たときに、転職プラットフォームはフェアじゃないサービスに見えている。信用されてないんです。これは企業、求職者、プラットフォームの3者にとっても良い関係だと思えません。もっとフェアなプラットフォームを作れれば、プラットフォームも信用してもらえるようになる。そうしたらもっと転職の世界は良くなると思っています。

広報:フェアネスの追求は転職ドラフトの根本にある思想でもありますよね。それにしても、どうしてそこまでフェアであることにこだわるのでしょうか?

M氏:一言で言えばそれが当たり前だと思っているからですね。企業は一人ひとりの求職者に対して、どうして一緒に働きたいのかをきちんと伝えて誠実に向き合う。それって普通だと思うんですよ。だから一斉送信メールなんて送るべきじゃないし、エンジニアを採用するならその人の能力や適性を正しく評価できる人が採用に関わるべきです。効率を重視して適当に採用活動をするよりも、お互いを尊重し合うフェアな転職・採用活動の方が良いと思うんです。

広報:「転職ドラフト」はITエンジニアを入札する際、企業側に指名理由を明示することを条件にしていますよね。

M氏:はい、そういう部分をユーザーに見せることで、転職プラットフォームとしての信頼を得られるのだと思います。それから、選考の際に現年収を聞く文化もおかしいですよね。現年収の低い人は、まず言いたくないじゃないですか。でも聞かれたら答えなきゃいけないような空気になる。それを知っていて企業も聞く。そういうのは、良くない。

広報:Mさんの話、胸アツです。徹底したユーザー目線ですよね。

M氏:そうですね。求職者も企業も含めて、誰がどんな課題を持っているのか?どうなればもっと良くなるか?を転職ドラフトチームはみんな考えられていると思います。

広報:とはいえ、最初から順調だったわけではないですよね?

M氏:開発のために徹夜をするなど立ち上げの苦労はありますが、「転職ドラフト」はマネタイズも強く意識して立ち上げてきたプロダクトで、実はビジネスとしても始めのうちからそこそこ順調だったような気がします。

広報:すごい!開発で心掛けていた点はあるのでしょうか?

M氏:色々ありますが、例えば、綺麗なコードを書くよりも、スピードを優先して開発しています。不具合を出さないよう慎重になりすぎるよりも、不具合をすばやく検知して改修できる体制を重視しています。計画的に負債を積む、というやつですね。「我慢するところは我慢する。でも儲かり始めたらちゃんと負債を返す時間をとるからね」とビジネス側とコミュニケーションを取りながら開発していました。

◆成功する組織:ビジネスサイドとエンジニアが両輪となり成長を加速

広報:IT企業では、ビジネスサイドとエンジニアに溝のある組織も多いと思うんですが、「転職ドラフト」はそうした垣根がないですよね。

星野:人数的なものもあるかもしれないのですが、風通しは本当にいいですね。本来、ビジネスサイドとエンジニアは両輪となってサービスの成長を加速していくものだと思うんです。今の「転職ドラフト」はそれが実現できていると思います。営業、エンジニア、マーケター、CSなど、全メンバーに情報を公開し、職種や職能による階層を作らないようにしています。

広報:全員に対して全ての情報を提供するというのは、簡単に見えて難しいと思うのですが、具体的にどういう工夫をしているんでしょうか?

M氏:例えば、Slack(広報注:チャットツール)のルームを必要以上に作らないこと、全ての情報を1つのルーム集約すること、意識的に自分から発信できる空気作り、MTGは席で行い会議室に入らない、会議の参加権限を制限しないなど。全員が全てのMTGに参加する権利があることにしています。

広報:全員がMTGに参加できるとなると、人数が増えるにつれ意思決定のスピードは遅くなると思うんですが、そこらへんはいかがでしょう?

M氏:意思決定のスピードは正直落ちていると思います。でも、そこだけが速くても、その後の実装までのスピードも含めて速くなければ、意思決定が速かった意味がなくなります。例えば、メンバーの納得感がないまま開発を進めてしまうと、メンバーのやる気が出なかったりする。すると、かえって全体のスピードが落ちてしまいます。

広報:なるほどなるほど。

M氏:なので、意思決定に時間がかかってもトータルのスピードは落ちていないと考えています。そもそも、トップだけが意思決定に関わるようなチームは、僕は嫌です。やる気でない。直近も、来期RM(ロードマップ)策定に3ヶ月かかりました。自分たちが来期どういう課題を解決したいのか、そのためにはどんなチームになる必要があるか、そのためにはどれだけお金が必要で、そのためにどれくらい稼ぎたいか、総合的に考えて策定しています。

広報:チームとしてとても自立していますよね。

転職ドラフト」のMTGは、会議室でなくオープンな場で行われる

◆転職ドラフトの目指す「フェア」な世界の実現のために

広報:お二人の今後の野望をお聞かせいただけますか?

星野:本当に僕の個人的な野望なんですけど、転職に限らず、エンジニアがエンジニアとしての人生を歩む上で使ってもらえるプラットフォームになるといいな、と思っています。今、エンジニアは転職市場に出る前に転職が決まってしまう“リファラル採用”が増えています。リファラル採用が増えると、転職プラットフォームの価値はどんどん下がっていく可能性があります。なので、勉強会の情報やコミュニティづくりなど、転職情報に限らずより多くのエンジニアに働く上での価値を提供していけるサービスにしていきたいですね。

M氏:僕は、とにかくいいものを創って、本質的な課題に迫りたいです。「転職ドラフト」に関していうと、まずは転職を気持ちよくできるものに変えてていきたい。いい出会いが生まれて、不愉快な転職がなくなるように。この業界自体をフェアにするべく、粛々と開発していきたいと思います。

広報:ありがとうございました。最後に、お二人から見た「職場」としての「転職ドラフト」の魅力を教えてください。

M氏:ものづくりをしたい人にとってはいい環境だと思います。自分の意見をどんどんを出せるし、ユーザーがエンジニアなのでユーザーの気持ちもわかりやすいはず。そういった点でも、エンジニアは価値を発揮しやすい職場だと思います。

星野:ビジネスサイドの人にとっては、プロダクトづくりに携われることが魅力だと思います。CSや営業の人にとって、せっかく吸い上げたユーザーやクライアントの声をプロダクトに反映させるのは、そう簡単ではありません。ですが、「転職ドラフト」であればそれができます。そこが魅力だと、他部署から異動してきたメンバーも言っています。

広報:メンバーはどんな人が多いですか?

星野:自立している人が多くて、それぞれが個々の価値観を持っているので、意見がバラバラなのが面白いです。違う視点から次々と意見がでてくるので。フレッシュなマインドを持っていて、ガッツがある人に向いている職場環境だと思います。

今回お話をうかがった星野さんとM氏。やはり最後まで顔を見せてくれなかった

ビジネスと開発をそれぞれリードをする星野さんとMさん。今回の取材を通じて、お二人が信頼しあっていることを感じました。全員が当事者として意思決定に関わり、せめぎ合いながらプロダクトが磨かれていくプロセスの一部を垣間見れた気がします。お忙しい中、インタビューに応じてくださった星野さん、Mさん、ありがとうございました!今後の転職ドラフトが益々楽しみです!

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