こんにちは。リブセンス広報担当です。
先日、転職クチコミサイト「転職会議」のLab企画第1弾として、クチコミデータをもとに気になる2社のチガイが簡単比較できる新機能「会社のチガイ」をスタートしました。
実は、この機能。
元々は3月スタートの予定だったんです。
お蔵入りの危機を乗り越え、ようやくスタートした「会社のチガイ」。今回は、その立ち上げについて聞きました。

「会社のチガイ」を開発した新卒エンジニアの河又

広報:
「会社のチガイ」は、新卒エンジニアの河又さんが開発したということですが。
河又:
10月の内定式後から、転職会議チームでアルバイトとして働いていました。ちょうど、新機能の企画が持ち上がったとき、チーム内のエンジニアは皆さんプロジェクトを抱えていて手がふさがっていたので、「じゃあ、河又やってみようか!」と言われて。私自身、新しい技術に挑戦してみたいという気持ちもありましたし、学生時代にWebサービスを立ち上げた経験はあったので、「やります!」と答えてしまいました。その後、いろんな苦戦をするなんて思いもせず。
立ち上げに当たっては、自然言語処理について一から教わったり、サーバ構築について教わったり。とにかく、先輩エンジニアの皆さんに感謝してもしきれません。

広報:
そもそも「会社のチガイ」を立ち上げようと思ったきっかけは?
グループリーダー・島川:
昨年11月、社内のエンジニア勉強会「Tech Night」で、アナリティクスグループの新保さんが「word2vec」という機械学習や自然言語処理に関する発表をしたのを聞いて、これは面白い!と思ったのがきっかけです。
word2vecを使うと、例えば、「Kingという言葉からManを引いてWomanを足すとQueenが出てくる」とか「GoodとBestを足して2で割るとBetterが出てくる」というように、単語の意味を足したり引いたりすることができるようになります。
転職会議には、150万件近いクチコミ情報が集まっているのですが、これらのテキストデータにword2vecを適用すると、何か面白いことができるんじゃないかと。
デザイナー・金子:
発表を聞いた後、word2vecを使って何か新しくて面白い機能を創ってみようと盛り上がって。早速、チームでアイデアを出し合いながら企画会議を重ねていきました。
当初は、会社を“比較する”というコンセプトではなく、会社と会社をくっつけたらどうなるとか、ゲーム感覚で見て面白いサービスを創ってみようという感じでしたね。デザインもドラクエ風で。プロジェクト名は「合併計算機(仮)」!でも、せっかく新しい技術を使ってロジックもしっかり創り込んでいるのに、ただ面白いサービスで終わってしまうのは悔しいよね、ということになって。せっかくなら、転職者の皆さんにとって役立つものでなくては意味がない、と。そして、企画がどんどん変化していきました。

広報:
最終的に、2社を比較するというコンセプトになった理由は?
河又:
もともと私自身が“比較”というものに強く興味を持っていたのは大きいかもしれません。実は、学生の頃「Wikiparison」という身の回りのさまざまなモノ・コトを比較するWebサービスをやっていたんです。今はもう閉鎖していますが、掲載記事は今でも残っています。
転職を検討されている方は、会社を研究したり選んだりする際、必ず“比較”すると思うんです。今いる会社と転職先、内定をもらった2社、どちらが自分に合っているんだろうと。転職会議には、日本一の規模のクチコミデータが集まっています。これらを活かして企業と企業を“比較”できるサービスを創れば、面白いし転職者の方々に役立つんじゃないかと思って。面白さと実用性を兼ね備えた企画として、最終的に「会社のチガイ」の開発が決定しました。

左から、転職会議メディアグループの島川、金子、鈴木

広報:
ところで、「会社のチガイ」のプレスリリース、元々は3月に出すはずでしたよね(苦笑)
せっかく原稿書いたのに、お蔵入りになるのかなぁ・・・と心配していたんですが、いったい裏で何が起こっていたんですか?
河又:
1月頃から開発に取り掛かり、2月にはだいたい形になって動いた!と思っていたんですが・・・
島川:
レビューをしてみたら、動かなかった!
河又君が思っていた“動く”の基準と、会社として思っていた“動く”の基準が違ったんですよね。
開発をほぼ1人に任せてしまっていた上、企画がどんどん変わっていったり、途中でレビューを挟まなかったりしたので、仕方なかった部分もあるのですが。いざ、レビューのため動かそうとしてみると、「あれ、動かない?!」という状況でした。
何とかしてやろうと、原因究明や修正対応で徹夜してみたりもしたのですが、そうこうしているうちに、河又君は卒業旅行でキューバへ行ってしまうわ、新卒研修は始まってしまうわ、転職会議本体の施策が忙しくなるわで、結局、リリースを延期せざるを得なくなってしまいました。
河又:
当時の自分は、学生ハッカソンレベルで、とにかく動けばOKという感覚でした。私のパソコン上だけで動いて満足していたけれど、別の人のパソコン上で動かしてみると動かない。再現性がなかったんです。初めて、会社としてサービスを始める厳しさ、基準のチガイを思い知りました。きちんと安定的に動くようにするために、メンターの鈴木さんやインフラグループの皆さんに助けていただきました。
鈴木:
当時の「会社のチガイ」は、例えるなら“砂の城”状態でした。表面上はカタチになって見えるけれど、土台ができていないというか、システムの基盤部分にまで手が回っていなかったですね。でも、河又君の、何が何でもローンチさせるという意気込みは、ホントにすごかったですよ。
河又:
実は、他にも誤算があって・・・。
会社のチガイは、クチコミデータを意味のあるキーワードに分解したり、アルゴリズムによって選別したり、出現回数をカウントしたりしているのですが、そのキーワードリストの精査が抜け落ちていました。誤解を与えてしまうようなキーワードが含まれていないか等、万単位のキーワードリストを、ユニットリーダーの福島さんが1つ1つ目視でチェックしてくださいました(涙)

広報:
いろんなメンバーのバックアップがあってこそのローンチだったんですね。
島川:
基準ということで言えば、今回の機能は実験的というか、Labという位置付けだけあって、通常のサービスローンチレベルには至っていません。
会社を比較するといっても、今回はキーワードの頻出度合いによって一定の傾向は見られますが、それだけで会社比較かというと違います。

広報:
今後、Lab企画としてどんな取り組みをしていきたいですか?
金子:
会社の選び方を提案していけるような!
鈴木:
求職者に役立つ革命的なスマホアプリとか!
河又:
転職を考える人が最初に興味を持つような!
島川:
データ処理の技術が日々進化していく中で、新しい技術を単純に使ってみるのがLabではなくて、最終的にユーザーの方々に価値を提供できなければ意味がないと思うんですよね。一方で、転職会議本体に組み込むとなると、時間も工数もかかる。求職者にきちんと価値を提供しつつ、新しい機能をスピーディーに生み出していきたいと思っています。

みなさん、ありがとうございました!
Lab企画第2弾もお楽しみに!