# Creators Career Compassイベントレポート

9月13日(水)、クリエイター向けのイベント「Creators Career Compass」が開催され、リブセンスクリエイティブリーダーの高木が登壇しました。本日はその模様をお伝えしたいと思います!

■ Creators Career Compassって?
このイベントはトレタさん主催で、テーマは「他社のクリエイター達とキャリアについての悩みを共有し合い解決していこう」というもの。今回の登壇者は、業種・業界等バラエティに富んでおり、様々な観点からクリエイターの仕事についてお話を伺うことができました。

< 登壇者の皆様 >

左から、TORETA社CDOの上ノ郷谷さん、LivesenseCreativeLeaderの高木、OHAKO社DesignDirectorの澤田さん、ココナラ社取締役の新明さん

左から、TORETA社CDOの上ノ郷谷さん、LivesenseCreativeLeaderの高木、OHAKO社DesignDirectorの澤田さん、ココナラ社取締役の新明さん

座談会のメインテーマは、「各社の組織体制」「デザイナーは今、何を求められているのか」、そして「何を目指して仕事に取り組んでいけばいいのか」の3点でした。

■ 各社のビジネスモデルやデザインプロセス・体制について
トレタ・上ノ郷谷さん:
トレタはBtoB飲食店向け製品の開発・提供です。クライアントからの要望をもとに、課題を抽出するところからデザイナーがコミットしています。課題解決に必要なことは機能追加なのか、実際にオペレーションの変更を提案するのか、というところまで具現化しプロトタイプしています。価値提供という点では、新しいプロダクトの企画にもデザイナーが深く関わっています。
リブセンス・高木:
弊社は事業ドメインを絞らず、プロダクトアウトとマーケットインの両輪で、社会課題の解決にコミットしています。事業部制の組織構造を採っており、デザインプロセスもボトムアップが基本の縦型構造になっています。事業部ごとにカラーが違うため、それぞれにフィットする独自の施策を展開できるのが特徴ですね。また、デザイナーやエンジニアが上流工程からプロダクトデザインに携われる体制となっており、受託開発的な働き方はしていません。
ココナラ・新明さん:
CtoCのプロダクトです。ユーザー同士のマッチングサービスなので、デザインによるターゲット設定や価値提供に関する捉え方が非常に難しく、社内の様々な職種のメンバーでディスカッションしながら企画を出しています。デザイナーはそれぞれの企画をユーザー目線で捉え直し、本質的に誰にどういう価値を届けることが目的なのかを定義・翻訳してプロダクトに落とし込んでいます。
オハコ・澤田さん:
受託開発です。まず、PMがクライアントへのヒアリングから課題抽出し、UIデザイナー・エンジニアがアサインされます。その後、プロジェクトのミッション、「誰に」「どんな価値を」「どのように届けるのか」等を設定するところから始まります。基本的に案件の掛け持ちは行わず、プロジェクトの進行中はそのプロジェクトにフルコミットします。エンジニアもUIデザインに感度が高く、積極的にデザインに意見を出してくれます。
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■ 各社のデザイナーの職域や、求められるスキルは?
オハコ・澤田さん:
私たちが扱うプロダクトのデザインは、即ち、クライアントのビジネスのデザインだと思っているので、ユーザーを理解するのと同等に、クライアントのビジネスを理解し、設計・構築する能力が求められます。その上で、エンジニア/PMと日々、ディスカッションをしながらUIやUXをデザインし、プロダクトの価値を創っていきます。
ココナラ・新明さん:
エンジニアが「効率を最大化する仕事」に対して、デザイナーは「設計や意匠を用いてプロジェクトの成功確率を最大化する仕事」という表現が気に入っています。ユーザーとプロダクトの両面で考えても、やはりユーザーに使い続けてもらう設計がプロジェクトの成功確率を上げていきます。そのためにユーザーに価値を提供し、ユーザーに伝わる言葉に変換して設計していくのがデザイナーの役割だと思います。
リブセンス・高木:
サービスデザインが仕事の軸になっているので、サービスに関わるスキル全般が求められます。デザイナーのスキルはUX・IA・UIなどいくつかに分かれますが、ひとりにフルスペックを求めるのは現実的ではありません。リブセンスとしては、個々のデザイナーに軸足となるスキルを定め、理想とするデザイナー像から逆算した上で、必要な領域へ越境していける仕組みづくりを目指しています。また、「やりきる」というマインドをとても大事にしていますし、イノベーティブなアイデアだけではなくプロダクトを泥臭く推進していく力も大切だと思います。
トレタ・上ノ郷谷さん:
ユーザーを中心にどういった価値を届けるか設計するところから携わっています。これまではデザイナーとして関わる部分は製品開発にフォーカスされていたのですが、今後、トレタのデザイナは、もっと組織に対して横断的に携わり、様々なチームの仕事を進めやすくするようにする役割りを担っていくようにしたいと考えています。ビジュアルに反映するという特技だけではなく、決めて進めるための考え方など、を活かしていけるキャリアや組織にしていこうと考えています。
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■ キャリアステップについて
トレタ・上ノ郷谷さん:
トレタのデザイナーのキャリアは主に3つの軸で考えています。3つの軸とは、プロダクトマネージャー、アートディレクター、チームマネジメントです。キャリアプランについては、現在もメンバーともいっしょになって、どういうスキルや、経験があるとどういう役割につながるのかというのを作っていっています。デザイナーとしてのスキルを高めていくことも、企画やプロダクトマネージメントに注力することも、メンバーをマネージメントすることも、日々の活動を通して、自分のキャリアプランを決めていけるようにしたいです。デザイナーのキャリアは弊社に限らず概念が曖昧なので、デザイナーの市場価値を高めることにしっかり取り組んでいきたいと思います。
リブセンス・高木:
事業の価値を正しい品質として「カタチ」にできること。それがインハウスのデザイナーとして事業に携わる上で最も重要だと思っています。そのためのスキルはもちろん、役割も多岐にわたっています。そこで私が担うべきなのは、デザイナー個々の指向性に合わせたキャリアパスの構築を、柔軟に行える環境を用意することだと心得ています。また数は少ないですが、マネジメントに携わることを目指すデザイナーもいます。クリエイターであれば当たり前のことですし、その上でデザインにとことん固執してもらいたいなと思いますね。アンテナは常に広く張り、まだ見ぬものにアイディアを注ぎ可視化して、プロダクトアウトしていくことにこだわってもらいたいです。
ココナラ・新明さん:
多くの企業は事業部制(縦軸)なので、必然的にその組織をマネジメントするもしくは数字責任を持つ職種の人数が増えていきます。そうした組織の場合、組織、人をマネジメントすることを前提にキャリアパスが用意されているはずです。そうすると、デザイナーとしてのキャリアを求めるなら職種が強い(横軸)制作会社などに行くか、起業して責任を持つ必要があります。会社の構造と自分の志向とを常に理解し、会社が求めるスキルと自分がやりたいこととのバランスが大事だと思います。もし自分で切り開くガッツがあるならスタートアップは責任範囲が広くキャリアパス自体を自分が作っていけるのでオススメです。

■ 各社のデザイナーの評価制度について
リブセンス・高木:
リブセンスでは何をつくったか(=What)よりも、どのようにデザインしたか(=How)を大事にしています。デザインが持つ価値を客観的に捉え、事業や組織に大してどのように貢献したのかを言語化してもらい、評価を下すようにしています。どんなに些細なデザインの変更でも、それは事業のKPIに少なからず影響しているはずです。それをひとつひとつ明確にすることで、評価だけではなく、組織に対してもデザインの理解を促進することができるのではないかと考えています。
トレタ・上ノ郷谷さん:
今トレタはどの職種も同じ目標設定にしようと考えています。デザイナーが設定する目標、リーダーが設定した目標が、経営トップが掲げる目標と乖離がないようにしています。デザイン組織を習熟させるためのプロジェクトを作り、個人・プロジェクトに対し目標達成度を評価しています。達成した上でさらにストレッチできたかにより次のプロジェクトに取り掛かる際の個人の成長に期待できると考えます。
ココナラ・新明さん:
経営トップの目標をもとに全社員が目標設定することで事業の目的がブレないようにしています。しかしデザイナーの目標・評価を数値化することは難しいと考えています。なので、今はプロジェクトに対するプロセスそのものを目標とし定性的に達成が積み上げられるかという点を重視して評価しています。
オハコ・澤田さん:
今実は改めて設定をし直している途中です。プロジェクト単位で言うとプロジェクトメンバーで週次でプロジェクトのレビューを開催し個々人の課題設定やそれに対してのアプローチの出し合いや共有をしています。こういったことも個々人の目標設定や評価にも反映していきたいのですが、まだ確立できていないので、もっとしっかりとシナリオを考えていきたいです。
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■ 登壇者ご自身のデザイナーとしてのターニングポイントは
オハコ・澤田さん:
新卒で入った会社ではとても忙しかったのですが、必死にやるうちにデザインの基礎ができました。その後転職した会社は優秀なデザイナーが多くそれまでに得たわずかな自信を失ったのですが、本業とは別にプライベートワークも寛容だったので、本業を定着させつつ、周りの優秀なデザイナーよりも数倍動こうと思いました。本業も含め、様々なジャンルの仕事に携わることで自分のデザインの軸ができたことが、大きなターニングポイントだったように思います。
ココナラ・新明さん:
起業した時ですね。起業する前は、どこか自分の意見に対して最後まで責任を持つことはできませんでした。自分の発言が相手に伝わらないことも、どこか仕方ない、自分の責任ではないと思っていました。しかし、起業して全てを自分事化し自分が最終責任を持つ立場になって変わりました。誰のためにやっているかと理解することでブレないということが分かりました。
リブセンス・高木:
リブセンスに入社する前は、音楽活動をしていました。とある事がきっかけでデザイナーに転身し、制作会社を転々とした後、フリーランスになりました。当時はFLASH全盛期で、Webを介することでコンテンツとユーザーが直につながり、驚きなどの感情がダイレクトに伝わってくる面白い時代でした。ただ、玉石混交のコンテンツで溢れていく中、トレンドを意識しすぎた中身のないものが増えていく傾向にありました。意味のあるものをつくりたいなと思い始めたのがこの頃だったんです。そんなときにリブセンスとの縁が生まれました。職種をまたぐ越境文化があるこの会社では、営業がSQLを書くこともありますし、デザイナーとエンジニアが互いの業務にフィードバックし合うこともあります。幅広い職種の人たちと切磋琢磨しながらクリエイティブにこだわることができる、そんな企業文化を楽しんでいます。
トレタ・上ノ郷谷さん:
もともと紙のデザインをしていたんですが、当時は媒体の向う側に相手が見えず反応が分かりませんでした。そういう意識も持っていなかった。その後、事業会社に入ると、製品を売っている人や使っている人が見ることの大切さに気付き、それはそれでプレッシャーを感じたのですが、同時にとても楽しいと思えました。最近はデザイナーとして経営に関わり、デザイナーの立場から会社や事業の優位性を示す立場になり、さらにプレッシャーを感じています。今はその立場を通じて、デザインやデザイナーはもっと社会の役に立てる存在なのではないかと思っています。

各社サービスの違いもあり、デザイナーの役割や組織へのコミットメントの仕方は様々でした。共通していることは、ユーザーの求めることに真摯に向き合い、サービスをつくりたいという姿勢。デザイナーを目指す方、キャリアアップを目指す方にとって共感できる点や新たに得る視点があったのではないかと思います。
今回ご一緒させていただいた登壇者の皆様、ありがとうございました!

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